永住ビザとは?メリット・デメリットと永住許可の基本要件を解説
外国人として日本で長期的に安定した生活を送りたい場合、永住者の在留資格は非常に重要な選択肢です。本記事では、永住ビザの概要、他の在留資格との違い、メリット・デメリットと申請条件(永住許可要件)を詳しく解説します。
永住者の在留資格とは?
永住者の在留資格(以下永住ビザと呼ぶ)とは、原則として、外国人が生涯にわたって日本に居住することを目的として取得する在留資格です。永住ビザは、就労ビザや留学ビザとは異なり、在留期限の更新や職種の制限がほとんどなく、日本人とほぼ同じように生活ができ、在留資格(ビザ)の中では最も安定した在留資格(ビザ)と言えます。このため、留学ビザから就労ビザに移った外国人や、日本人と結婚して来日した外国人などは、日本で安定した生活を送るために、永住ビザ取得を目標とすることが多いです。とは言え、永住ビザも在留資格の1つなので犯罪行為などの違反があると、永住ビザが取り消されることがあります。
永住者のメリット・デメリット
永住ビザには様々なメリットがありますが、一方で注意すべきデメリットも存在します。以下で詳しく説明します。
永住者のメリット
- 無職でも問題なし(就労ビザとかで無職期間があると更新が許可されないことがある)
- 職種や活動の制限がほとんどない
- 在留期限更新がない(更新手続きや費用の負担が不要)
- 社会的信用が上がる(住宅ローンとかが受けやすい)
- 配偶者と離婚や死別したとしても永住ビザは取り消されない
- 国籍を変更しなくても良い(帰化と違い元の国籍を維持できる)
永住者のデメリット
- 永住ビザは、高度専門職ビザで認められる親の呼び寄せなどの優遇措置が使えなくなります。
- 永住ビザは帰化とは異なり、外国籍のままのため参政権はありません。
- 帰化と違い重大な犯罪などを犯すと永住許可が取り消されることがある。
永住許可申請の基本要件(概要)
永住許可の要件については出入国管理及び難民認定法(以下入管法と呼ぶ)22条に規定されています。
入管法22条
(1項)在留資格を変更しようとする外国人で永住者の在留資格への変更を希望するものは、法務省令で定める手続きにより、法務大臣に対し永住許可を申請しなければならない。
(2項)前項の申請があつた場合には、法務大臣は、その者が次の各号に適合し、かつ、その者の永住が日本国の利益に合すると認めたときに限り、これを許可することができる。ただし、その者が日本人、永住許可を受けている者又は特別永住者の配偶者又は子である場合においては、次の各号に適合することを要せず(略)。
一 素行が善良であること。
二 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。
入管法22条の要件を簡単に整理すると以下のようになります。条文にオレンジ色でマークした部分が要件です。
- 素行が善良であること(素行善良要件)
- 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)
- その者の永住が日本国の利益に合すると認められること(国益要件)
※ただし書きは、日本人の配偶者と子、永住者の配偶者と子などについては素行善良要件、独立生計要件が問われないことを規定しています。
条文に書かれてある素行善良要件、独立生計要件、国益要件と言っても抽象的すぎて自分が要件を満たしているかがこのままでは分かりません。
そこで参照するのが、出入国在留管理庁のホームページで見れる「永住許可に関するガイドライン」です。そこに書かれている要件を以下に抜粋します。
(1)素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること
(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
イ 罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
※ 公的義務の履行について、申請時点において納税(納付)済みであったとしても、当初の納税(納付)期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されます。
ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
※ ただし、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、(1)及び(2)に適合することを要しない。また、難民の認定を受けている者、補完的保護対象者の認定を受けている者又は第三国定住難民の場合には、(2)に適合することを要しない。
素行善良要件・・・過去に拘禁又は罰金刑を受けている場合、刑の消滅(刑法第34条の2)により刑が消滅してから申請します。
独立生計要件・・・生活保護を受給せず、一般的に年収300万円程度あれば申請者が自立して生活できると判断されます。(年収はあくまで目安)
国益要件・・・ア)原則10年日本に在留していることが要件になります。例外として日本人の配偶者や高度専門職のビザで日本に滞在している外国人については、原則とされる10年の在留期間を満たしていなくても永住許可が認められる場合があります。
イ)拘禁刑や罰金刑を受けていないこと、将来的に再犯の恐れがないかが確認されます。納税の義務をきちんと履行していることも確認されます。
ウ)入管法施行規則で別表第2規定されている最長期間を与えられていない場合は原則として永住許可申請はできません。最長の在留期間が5年の在留資格(技術・人文知識・国際業務、経営・管理、技能等)は、在留期間3年も最長の在留期間として取り扱うという運用がされているので、与えられた在留期間が3年でも永住許可申請が可能です。
エ)ペスト、結核などの患者や覚醒剤中毒者じゃないことが必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は永住許可申請について一通り解説しました。次回は永住許可申請に必要な書類や提出までの流れについて詳しく解説する予定です。

