上陸許可基準該当性とは何か|在留資格審査で必ず確認される要件

上陸許可基準該当性とは、外国人が日本に入国する際に確認される在留資格ごとに定められている許可要件(基準)のことをいいます。
この基準は、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令で確認できます。なお、上陸許可基準該当性は、日本に上陸するときだけでなく、在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請の際にも審査されます。

在留資格審査では、まず「在留資格該当性」があるかどうかが確認されますが、在留資格該当性を満たしているだけでは許可されません。
次の段階として、この上陸許可基準該当性を満たしているかどうかが審査されます。

前回の在留資格該当性の記事では、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を例に取りながら解説しました。本記事でも引き続き、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を例に、上陸許可基準について説明します。

上陸許可基準該当性の判断根拠

以下に、在留資格「技術・人文知識・国際業務」に係る上陸許可基準の条文を記載します。

申請人が次のいずれにも該当していること。ただし、申請人が、外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第九十八条に規定する国際仲裁事件の手続等及び国際調停事件の手続についての代理に係る業務に従事しようとする場合は、この限りでない。
 申請人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な技術又は知識を修得していること。ただし、申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは、この限りでない。
イ 当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。
ロ 当該技術又は知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。)したこと。
ハ 十年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連する科目を専攻した期間を含む。)を有すること。
 申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。
イ 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。
ロ 従事しようとする業務に関連する業務について三年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。
 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

一号は、「技術・人文知識」の分野で働きたい場合です。

条文中の(イ)および(ロ)で、学歴要件について規定されており、これらのいずれかに該当すれば要件を満たします。一方、(イ)および(ロ)のいずれにも該当しない場合には、(ハ)に基づき、10年以上の実務経験が求められます。

ここで注意したい点として、大学については日本国内の大学に限られず、海外の大学を卒業している場合でも要件を満たします
これに対し、専門学校については、日本の専門学校を卒業していることが必要とされており、海外の専門学校卒業のみでは原則として要件を満たしません。

二号は、「国際業務」の分野で働きたい場合です。

「国際業務」の分野で就労する場合、従事する業務内容が、
翻訳通訳語学の指導広報宣伝海外取引業務、服飾または室内装飾に係るデザイン商品開発その他これらに類似する業務
のいずれかに該当する必要があります。また、原則として、これらの業務について3年以上の実務経験を有していることが求められます。

ただし例外として、大卒者が、翻訳、通訳または語学の指導に係る業務に従事する場合には、実務経験は不要です。

三号は、報酬要件です。

同一の業務に従事する日本人と同等額以上の報酬を受けることが必要であり、その企業で働く日本人より低い賃金で就労させることは認められていません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、在留資格の審査において重要となる上陸許可基準該当性について解説しました。

上陸許可基準は、単に学歴や職歴といった形式的要件を満たせばよいというものではなく、業務内容との関連性や実態、報酬水準などを総合的に見て判断されます。そのため、基準を正しく理解せずに申請を行うと、不許可となるリスクも少なくありません。

特に「技術・人文知識・国際業務」などの就労系在留資格では、在留資格該当性との違いを意識した説明や立証が重要になります。

次回は、これまで解説してきた在留資格該当性上陸許可基準該当性に続き、審査実務において重要となる「相当性」について解説します。